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難治性呼吸器感染症 改訂第2版

難治性呼吸器感染症 改訂第2版
難治性呼吸器感染症研究所所長 宍戸春美 著
結核予防会結核研究所抗酸菌 レファレンスセンター細菌検査科長 御手洗聡 著
発行年月
2003年11月刊
定価
本体3,400円+税
判型
A5判2色刷
ページ数
144頁
ISBN
4-86092-053-8
注文番号A34
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主な内容

目次

1 感染症の成立
1.1 感染症とは
1.1.1 顕性感染と不顕性感染
1.1.2 微生物・宿主の相互関係
1.1.3 opportunistic infection
1.2 菌交代症と菌交代現象
1.3 “感染”の成立と保菌者(キャリア)

2 細菌性呼吸器感染症
2.1 発症部位と分類
2.1.1 上気道と”下気道”
2.1.2 気道系と肺実質
2.1.3 呼吸器感染症に関連する主な呼吸器疾患の発症部位
2.1.4 慢性呼吸器感染症
2.1.5 慢性気管支炎
2.1.6 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

3 難治性呼吸器感染症とは
3.1 難治性呼吸器感染症の概念
3.2 難治性呼吸器感染症の成立
3.3 難治度と重症度は別個の概念

4 呼吸器感染症の現状-難治化の視点から-
4.1 起炎菌の現状
4.2 宿主(患者)側難治化因子の現状
4.2.1 慢性呼吸不全と在宅酸素療法

5 呼吸器感染症の難治化要因

6 起炎菌側の難治化要因
6.1 起炎菌の病原性因子
6.1.1 菌体外毒素,菌体外酵素の産生
6.1.2 バイオフィルム形成
6.1.3 莢膜および表層構造
6.2 呼吸器病原菌の耐性化
6.2.1 薬剤耐性のメカニズム
6.2.2 菌交代による耐性化
6.2.3 呼吸器病原菌の耐性化の現況

7 宿主(患者)側の難治化要因
7.1 全身的感染防御能
7.1.1 栄養状態と加齢
7.1.2 好中球とマクロファージ
7.1.3 免疫グロブリン
7.1.4 細胞性免疫,リンパ球
7.2 局所的感染防御能
7.2.1 肺血流
7.2.2 気道粘液線毛クリアランス(mucociliary clearance)
7.2.3 呼吸機能
7.2.4 気管内挿管,気管切開
7.3 特異的感染防御能(免疫)

8 難治性呼吸器感染症に対する対策

9 起炎菌側の難治化対策
9.1 難治性呼吸器感染症の起炎菌決定(推定)法
9.1.1 起炎菌決定のめやす
9.1.2 “喀痰”から分離されたMRSAの起炎性
9.1.3 臨床的にβ-ラクタム薬が無効の時,考慮すべき感染症
9.1.4 臨床的に抗菌薬が無効の時,考慮すべき疾患
9.2 病原性因子
9.2.1 抗炎症薬,ステロイド薬,抗エラスターゼ
9.3 耐性菌と耐性化
9.4 新薬の開発,併用療法
9.4.1 β-ラクタマーゼの分類と対策
9.4.2 緑膿菌,MRSAに対する併用療法
9.4.3 緑膿菌,MRSAに対する吸入療法
9.4.4 菌交代・耐性誘導・繰り返し感染等の予防を考慮した化学療法デザイン
9.4.5 緑膿菌,MRSAの院内感染防止対策
9.5 多剤耐性結核とその治療
9.5.1 現在の抗結核化学療法
9.5.2 現在の抗結核薬のランク
9.5.3 多剤耐性結核の発症様式
9.5.4 耐性結核菌の遺伝子
9.5.5 多剤耐性結核に対する治療
9.6 非結核性抗酸菌と肺非結核性抗酸菌症の治療
9.6.1 非結核性抗酸菌とは
9.6.2 非結核性抗酸菌症の病像
9.6.3 肺非結核性抗酸菌症の診断基準(日本結核病学会基準)
9.6.4 肺非結核性抗酸菌症の治療
9.6.5 Mycobacterium avium complex症(M.avium症およびM.intracellulare症)の治療
9.6.6 Mycobacterium kansasii症の治療
9.6.7 その他の菌種による非結核性抗酸菌症の治療
9.7 院内感染防止と消毒薬
9.7.1 滅菌と消毒
9.7.2 消毒薬の作用発現3原則
9.7.3 院内感染病原体に対する消毒薬

10 宿主(患者)側の難治化対策
10.1 全身的感染防御能
10.1.1 栄養状態の改善
10.1.2 BRM
10.2 局所的感染防御能
10.2.1 喀痰ドレナージ
10.2.2 うがい
10.2.3 誤嚥性肺炎の予防
10.3 特異的感染防御能(免疫)
10.3.1 ワクチン
10.3.2 免疫グロブリン製剤
10.3.3 モノクローナル抗体

11 院内感染による肺炎とその治療
11.1 肺炎と院内肺炎の概念
11.2 診断のポイント
11.3 リスクファクター
11.4 原因となる病原体と難治性起炎菌
11.5 抗菌薬の選択
11.5.1 empiric therapyまたは起炎菌不明時
11.5.2 緑膿菌
11.5.3 MRSA
11.5.4 MSSA
11.5.5 緑膿菌以外のブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
11.5.6 ブドウ糖発酵グラム陰性桿菌(大腸菌,Klebsiella, Serratia marcescens)
11.5.7 嫌気性菌(Peptostreptococcus spp., Bacteroides fragilis,spp.など)
11.5.8 緑膿菌+MRSA
11.5.9 吸入療法(保険適応外)
11.6 抗菌薬以外の補助療法
11.6.1 G-CSF製剤(好中球非減少患者では保険適応外)
11.6.2 ステロイド薬,ステロイドパルス療法
11.6.3 ガンマグロブリン製剤
11.6.4 喀痰ドレナージ
11.7 院内肺炎の予防

12 マクロライド少量長期投与
12.1 エリスロマイシン以外に何が効くか?
12.2 マクロライド少量長期投与の投与量
12.3 マクロライド少量長期投与はなぜ効くのか?
12.4 マクロライド少量長期投与が効く疾患は何か?
12.5 病態とマクロライド少量長期投与の有効性との関係

13 吸入療法
13.1 全身投与と比較した吸入療法の長所・短所
13.2 吸入療法に使用される抗菌薬
13.3 抗菌薬を用いた吸入療法の処方例
13.3.1 緑膿菌,インフルエンザ菌,肺炎桿菌に対する処方例
13.3.2 セラチア,インフルエンザ菌,肺炎桿菌に対する処方例
13.3.3 緑膿菌などに対する処方例
13.3.4 緑膿菌に対する処方例
13.3.5 MRSAに対する処方例(1)
13.3.6 MRSAに対する処方例(2)

14 酸素療法
14.1 酸素療法の適応
14.2 酸素投与法・投与量
14.3 酸素投与の注意事項

15 難治性呼吸器感染症に対する新しい戦略

付表:抗微生物薬の適応菌種・適応症(呼吸器感染症および関連領域)