書籍

はじめよう 看護の感染と防御 改訂第2版

★看護学生の教科書として、また感染対策を担う看護師が広く感染症を学べる書籍として好評を得た「はじめよう 看護の感染と防御」が大幅改訂!
★2014年の初版から約10年が経ち、その間、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックなど、感染症を取り巻く環境は大きく変わり、臨床における感染対策の知識と実践はさらに必須に!
★「感染症の基本」から「滅菌」「検査」業務まで幅広く網羅し、まさに看護における感染症とその対策の教科書といえる一冊。
東邦大学看護学部感染制御学 教授 小林寅喆 著
発行年月
2025年3月刊
定価
3,190円(本体2,900円+税10%)
判型
B5判
ページ数
128
ISBN
978-4-86092-153-8
注文番号A124
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著者略歴

小林寅喆(こばやし いんてつ):東邦大学看護学部感染制御学 教授

北里大学衛生科学専門学院卒業。東邦大学医学部微生物学教室 研究生。保健学博士(北里大学)。東海大学医学部 非常勤講師,国立国際医療センター 非常勤研究員,三菱化学メディエンス 化学療法研究部長,感染症検査部長を経て,2008 年1月東邦大学医学部看護学科 准教授,東邦大学大学院医学研究科准教授,2009 年4 月から同大学,大学院 教授,2013 年4月日本赤十字秋田看護大学 非常勤講師,2013年4月河南科技大学(中国河南省)兼任教授,現在に至る。

「はじめに」より

病院に限らず看護の現場である医療関連施設には免疫力が低下した患者が多く存在し、常に感染の危険にさらされています。特に病院内には抗菌薬耐性菌が多く分布し、これらによる感染は退院を大幅に遅らせるだけでなく、患者の予後に大きく影響します。しかし残念なことに、日本各地でたびたび病院感染の話題が新聞やニュースで報じられているのが現実です。

看護師は患者に長い時間密にかかわっていることから、感染源にもなりやすく、ちょっとした不注意が病院感染を引き起こす要因となってしまいます。

臨床の現場で感染対策の重要性は認識されていますが、全ての従事者が十分に理解しているとはかぎりません。その理由として、看護教育における感染制御に関連した学問に十分な時間が割かれていないのも大きな要因であると考えます。現に感染制御に関する科目は、看護師養成課程のカリキュラム上では他の専門科目のような確立された位置づけにありません。その一方で感染制御に関する内容は、微生物学、免疫学および感染症学と広範囲にわたり、学生にとっては負担の大きい科目です。

本書は、今まで私自身が教壇で苦労した経験と学生の意見を取り入れ、看護師に必要な“感染と防御”を簡潔に書き上げました。国家試験対策はもちろん、将来看護の現場で必要な感染と防御、感染制御をこれ一冊で理解できるようにまとめたものです。

この度、本書の発刊より10年が経過し、その間、新しい感染症の台頭、人の移動の激化、温暖化や自然災害など社会を取り巻く環境は大きく変化しました。このような環境の変化とともに感染症とその制御に対して新しい対応も求められています。特に2019年から現在も続いている新型コロナウイルス感染症のパンデミックは私たちの生活様式を大きく変えることになりました。

このような背景から、今回ヴァンメディカル社様より改訂の機会をいただき、内容の多くを見直し、新しい感染症やその制御について書き加え、大幅な改訂を行いました。これから看護の現場でますます必要とされる感染制御について、本書が看護学生のみならず、臨床の看護師にも役立てていただけることを願います。

目次

はじめに
ヒトと感染症
・感染の成立と発症
・顕性感染と不顕性感染
・感染経路
感染症と流行
・食中毒
・人畜(獣)共通感染症
・性(行為)感染症
・その他感染症
・新興・再興感染症
・流行の分類
生体防御と免疫
・免疫
感染症の予防と対策
・感染症の予防
・病院感染
・各種予防策
滅菌と消毒
・滅菌
・消毒
・バイオハザードとバイオセーフティ
感染症と法律
・感染症法
・感染症の類型
・届出制度と対策
・学校保健法
・検疫法
微生物と病原体
・微生物とは
・微生物の分類
・微生物の構造
・常在細菌
微生物と感染症
・細菌と感染症
・真菌と感染症
・ウイルスと感染症
・原虫と感染症
・プリオン
感染症の診断と治療
・細菌学的診断
・免疫学的診断
・遺伝子学的診断
・検査と報告
・化学療法
・抗菌薬耐性菌
・菌交代症
・抗菌薬適正使用
あとがき

内容見本

 

小林寅喆先生(右)と弊社社長伊藤